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玉井康之 著書一覧
著書ページMenu 著書一覧 1.玉井単著書 2.玉井編著書・共編著書 3.共著書・分担執筆 主たる著作の紹介

『住民自治へのコミュニティネットワーク―酪農と自然公園のまち標茶町の地域再生学習 (叢書地域をつくる学び)』
鈴木敏正・玉井康之・川前あゆみ 編著 北樹出版 2010年

【目次】
序章 コミュニティネットワーク型まちづくりと教育的自治(鈴木敏正)
 第1節 コミュニティ再生と「地域再生教育」
 第2節 コミュニティネットワークと学校・公民館・自治会
 第3節 地域再生+教育再生=教育的自治
 第4節 本書の構成

第1章 標茶町コミュニティネットワーク型まちづくりの特徴
 第1節 標茶型まちづくりとコミュニティネットワークの展開構造(玉井康之)
 第2節 集落再編による地域自治とコミュニティの基盤形成(玉井康之)
 第3節 情報交流とコミュニティネットワークの課題(玉井康之・廣田健)

第2章 生涯学習推進とコミュニティネットワーク
 第1節 学校拠点型コミュニティネットワークの構造(川前あゆみ)
 第2節 生徒の多様な進路実現と地域の期待・要望に応える総合学科づくりの試み(木戸口正宏)
 第3節 生涯学習・社会教育と地区公民館の役割(添田祥史)
 第4節 住民による協同文化活動を支える図書館(吉岡亜希子)

第3章 農村型子育て支援のネットワーク
 第1節 子育て支援ネットワークの展開(榊ひとみ)
 第2節 発達に困難を抱えた子どもの育ちを支えるネットワーク(二宮信一)

第4章 健康と環境保全のネットワーク形成
 第1節 「健康な生活」を支えるネットワーク(長津詩織)
 第2節 虹別中学校シマフクロウ保護活動と「コロカムイの会」―野生生物保全教育としての環境教育―(大森亨)
 第3節 アウトドア活動と自然保護(大沼義彦)

第5章 社会的協同と起業型協同活動へ
 第1節 農村女性の社会的協同活動(河野和枝)
 第2節 内発的起業活動とエコタウンづくり―標茶町ゼロ・エミッション研究会の実践から―(小田清)
 

第6章 地産地消の取り組みとまちづくり(片山千賀子)
 第1節 地場産乳製品を取り入れた学校給食
 第2節 標茶高校による地場産品製造と加工の取り組み
 第3節 住民による地場産品加工と新たな取り組み

第7章 農業・農村の新しい価値の創造(若原幸範)
 第1節 地域づくりにおける都市・農村交流の意義
 第2節「地域づくり基礎集団」としての虹輪塾
 第3節 標茶町におけるグリーン・ツーリズムの展開
 第4節 次世代の地域づくりに向けて

第8章 学校・地域連携のコミュニティネットワークの展開へ(川前あゆみ)
 第1節 北海道における地域づくりを基盤とした学校の存在
 第2節 学校・地域連携の展開 −標茶町虹別地区を中心に−
 第3節 地域による学校運営への協力と学校の活性化
 第4節 地域における学校の存在意義と学校の課題

終章 コミュニティネットワークの推進と総合的地域再生学習


『コミュニティ教育論』
岡崎友典・玉井康之 放送大学教育振興会 2010年

講義テーマ
第1回
 教育環境としての「地域コミュニティ」〜コミュニティとは何か〜
第2回
 生涯学習と地域コミュニティの形成
第3回
 学校と地域社会(1)   〜近代学校の成立とコミュニティ〜
第4回
 学校と地域社会(2)  〜コミュニティスクールの源流〜
第5回
 地域の子どもの遊び・生活と教育コミュニティ
第6回
 総合的な学習とまちづくり
第7回
 地域福祉とコミュニィ教育
第8回
 PTAと地域住民組織〜学校とコミュニティをつなぐ役割〜
第9回
 コミュニティと学校の説明責任
第10回
 学校と地域を結ぶ地域コーディネーターの役割
第11回
 開かれた学校と生涯学習施設
第12回
 中山間地の学校と地域コミュニティ
第13回
 コミュニティ形成と地域文化
第14回
 移住・定住とコミュニティ〜同窓会・同郷会の役割〜
第15回
 コミュニティの教育的再編〜まとめと課題〜


『学校評価時代の地域学校運営―パートナーシップを高める実践方策』
教育開発研究所 2008年

【目次】
はじめに
序章 学校評価時代の地域学校運営
 1節 子どもの教育をめぐる学校・家庭・地域のパートナーシップ
 2節 学校の集団的な説明責任能力の向上と家庭・地域の学校支援体制
 3節 学校・家庭・地域連携の条件整備と自己点検項目


T部. 地域に信頼される学校づくり・組織体制づくりと地域学校運営

1章 地域と連携した学校運営の必要性と地域をコーディネートする力
 1節 地域と連携した学校づくりと地域をコーディネートする基本的な観点
 2節 地域の子どもに適した特色づくりと地域をコーディネートする力
 3節 地域を活かした教育課程づくりと地域をコーディネートする力

2章 信頼される学校づくりと学校・家庭・地域の意識的関係づくり
 1節 学校・家庭・地域の適切な役割分担の意識化と働きかけ
 2節 家庭・地域の相互の連携協力の促進と家庭教育のネットワークづくり
 3節 「学校を支援する地域の役割」に関する学校の考え方の確立と働きかけ

3章 学校内組織体制・校内分掌の確立と教職員の意思統一
 1節 地域との協働経営を目指す組織設計と教師の協働経営理念の考え方
 2節 地域との協働経営組織づくりと教職員の意思統一
 3節 地域との連携体制を支える条件と地域学校運営

4章 保護者との対話・連携の力と地域協力者の発掘
 1節 保護者との対話力の向上と情報交換の必要性
 2節 学級PTAを媒介にした学校活動の協力者の発掘と地域学校運営


U部. 学校評価に対応した説明責任能力の向上と地域学校運営

5章 学校評議員制度の効果的な運用と多様な役割の付与
 1節 学校評議員制度と学校運営方針に添った役割の明確化
 2節 学校・家庭・地域が連携した子どもの健全育成と学校評議員の役割
 3節 児童生徒の地域ボランティア活動と学校評議員の役割

6章 学校評価制度への参画とフィードバックの必要性
 1節 学校の評価・改善への保護者・地域住民の参画と建設的な関係づくり
 2節 保護者による学校評価の活用と保護者の関わり方
 3節 学校関係者評価委員の研修とフィードバックの必要性

7章 学校の説明責任力の向上と経営責任概念の拡大
 1節 説明責任力と学校・家庭・地域の経営責任概念の拡大
 2節 経営責任概念の拡大と連携運営の条件整備


V部. 地域の行政・専門機関・地域団体等との連携と地域学校運営

8章 教育行政・社会教育行政との連携と学社融合の経営計画
 1節 学校を支援する教育委員会の役割とフィードバックの必要性
 2節 学校と社会教育行政との連携と学社融合の経営計画づくり

9章 地域の専門機関・関係団体との連携と教育活動の活性化
 1節 専門機関・関係団体との連携づくりと地域情報の集約化
 2節 専門機関・専門団体と連携した教育活動と地域学校運営

10章 地域組織・地域住民との良好な関係づくりと地域住民の発想方法
 1節 管理職の地域住民との円滑な人間関係づくりと協議会・交流会の役割
 2節 学校不信の保護者・地域住民への姿勢と多様な対応方法
 3節 地域住民の顧客発想と教育的発想の相違を理解した対応方法の転換


W部. 地域を活かした学習活動・体験活動の創造と地域学校運営

11章 子どもの地域関心を高めるカリキュラム開発と創造的集団思考
 1節 地域知を学校知に生かす学習指導と学習態度の育成
 2節 地域と結びついたカリキュラム開発の体制整備と情報整備
 3節 地域の特色・地域の力と教科との連動の方策
 4節 教職員等の創造的集団思考と情報収集の方法

12章 地域体験活動・奉仕活動の創造と関係機関・団体との連携
 1節 学校行事の再編を含めた体験活動の充実と地域貢献の姿勢
 2節 身近な体験活動を高める家庭・地域との連携
 3節 関係機関・団体と連携した体験・奉仕活動の充実と互恵性の追求

13章 土曜・長期休業の活用と地域プロジェクトによる計画化
 1節 土曜・長期休業の有効活用と学校・地域団体の関わり方
 2節 土曜スクールの体験活動と地域のプロジェクト委員会方式による計画化


X部. 地域の生活指導・危機管理活動と地域学校運営

14章 潜在化した青少年の逸脱行動と地域全体の生活指導
 1節 教育課題の拡大と学校外の教育力を活かした健全育成活動
 2節 地域の情報サポートヘルプデスクと連携した情報モラル指導の向上
 3節 多様化・広範化する児童生徒の逸脱行為と地域全体の生活指導

15章 防犯・危機管理活動と地域関係機関との連携
 1節 学校の防犯対策・安全環境の保障と地域協働システム
 2節 地域関係機関との連携と危機管理体制の充実

おわりに


『子どもと地域の未来をひらく へき地・小規模校教育の可能性』
玉井康之 著 教育新聞社 2006年

【目次】
はじめに(玉井)
序章 へき地・小規模校の教育研究の課題と現代的な可能性(玉井)

第一部 へき地・小規模校の再評価と学校開発・地域振興の可能性
 第1章 現代におけるへき地・小規模校教育の特性と”へき地”のパラダイム転換の可能性(玉井)
 第2章 へき地・小規模校経営の特性と学校・地域協働運営の可能性(玉井)
 第3章 義務教育費国庫負担制度の廃止問題とへき地・小規模校の果たす多面的役割(玉井)

第二部 へき地・小規模校の地域性・小規模性を活かした学習・生活指導の可能性
 第4章 へき地・小規模校の地域特性を活かした総合的な学習の可能性(玉井)
 第5章 へき地・小規模校の地域づくり学習の可能性と地域コーディネート能力(滝川)
 第6章 へき地・小規模校の農林漁業・自然体験活動と生きる力・心の教育の可能性(川前)
 第7章 へき地・小規模校における特別支援教育の可能性(二宮)

第三部 へき地・小規模校の教育実践経験と教師の成長の可能性
 第8章 へき地・小規模校の教育実践経験と教師の卵の成長(廣田)
 第9章 山村留学生指導を通じた若手教師の成長の意識-都市・農村比較による長期的評価(川前)

終章 地域性・小規模性を活かしたへき地・小規模校教育の可能性(玉井)
おわりに(高嶋)


学校という“まち”が創る学び 教科センター方式を核にした聖篭中学校の挑戦『学校という“まち”が創る学び 教科センター方式を核にした聖篭中学校の挑戦』
ぎょうせい 2003年 2200円

現代日本の教育改革と聖籠中学校改革の構造/
地域住民主体の学校づくりの挑戦/
集団指導体制を高める学校経営改革の挑戦/
 情報交流と相互補完を促進する学校経営改革の挑戦/
教科センター方式の導入に伴う教育課程改革の挑戦/
生徒の居場所と社会性を高める学級経営改革の挑戦/
 誇りと自己統制力を育む生徒指導改革の挑戦/
地域開放型学校づくりを支える地域生涯学習改革の挑戦/
学校という"まち"が創る学びと聖籠中学校の挑戦




『学校・地域・家庭連携 事例集』
教育開発研究所 2002年

【目次】
1章 各教科・道徳・特別活動における地域・家庭との連携
☆基本的視点
 小学校の実践,中学校の実践

◆実践を読んで -解説-
2章 総合的な学習の時間・選択教科における地域・家庭との連携
☆基本的視点
 小学校の実践,中学校の実践

◆実践を読んで -解説-
3章 学校評議員制などを生かした開かれた(新しい)学校づくり
☆基本的視点
 小学校の実践,中学校の実践

◆実践を読んで -解説-
4章 学校情報の公開・発信活動--説明責任を果たすために
☆基本的視点
 小学校の実践,中学校の実践

◆実践を読んで -解説-)
5章 学校・地域・家庭一体の危機管理・安全指導の取り組み
☆基本的視点
 小学校の実践,中学校の実践

◆実践を読んで -解説-
 6章 「地域・家庭連携」に役立つ文献・資料


少年の凶悪犯罪・問題行動はなぜ起きるのか『少年の凶悪犯罪・問題行動はなぜ起きるのか ー事件から学ぶ学校・家庭・地域の役割とネットワークづくり』
ぎょうせい 2002年 2095円+税

「はじめに」より抜粋

 はじめにー少年凶悪犯罪と問題の所在
 イギリスの歴史学者、アーノルド・ジョセフ・トインビーは、彼の生涯の大作『歴史の研究』のなかで、国民精神のあり方の問題性について、次の四項目を提唱している。
・物より心の豊かさが忘れられていく時。
・社会の中で自立の精神が失われていく時。
・大人が子供に対して胸を貸さなくなった時。
・指導者層が勇気と自信を持って、ものを言うことをしなくなった時。
 これを教育界の問題としてとらえ、「指導者層」を子どもへの指導者としての「大人」をあてはめてみれば、わが国の教育界が現在、最も危惧している状態を的確に示している。現代社会においては、価値観の多様化、人間関係の希薄化、他者への無関心、虚構と現実の境界喪失により、いっそう混迷度を深め、多くの人々の生活から心の潤いが失われている。このような世相をあたかも反映しているかのように、凶悪な少年事件が続発し、子どもたちの問題行動は憂慮すべき状態にある。少年事件は、病める時代の社会状況を象徴的に映し出している。

このような観点から本書では、次の3つの部、I「衝撃の少年凶悪事件から学ぶもの」、II「少年犯罪の社会的背景と前兆的行動」、III「少年犯罪・問題行動の防止と自己統制力を育む学校・家庭・地域の対応方策」に分けて少年の凶悪事件の原因と対応策をとらえた。


地域に学ぶ総合的な学習ー学社融合時代の学校・行政の役割ー『地域に学ぶ総合的な学習ー学社融合時代の学校・行政の役割ー』
東洋館出版社 2000年 2000円

 近年、多様な「総合的な学習」の中でも、地域を発見し、地域を理解し、そして地域に貢献できるような「総合的な学習」を展開することが重要な教育経営課題となっているすなわち、地域に学ぶ「総合的な学習」を展開することである。このことが、子どもの全面発達をうながす条件となるからである。
 
 地域に学ぶ「総合的な学習」を展開するためには、地域を知るための一般的な調査方法を踏まえながら、地域ごとに、日常的に見えるものの奥行きの深さをとらえていかなければならない。またそのために、行政が学校教育も社会教育もトータルにとらえつつ、地域を調べやすい体制を整備したり、地域をコーディネイトしていく役割を高めることが重要な条件となる。 このような中で、本書の目的は、第一に、地域と連携した「総合的な学習」を展開するために有効な、一般的な地域調査(調べ活動)の方法をとらえることである。とりわけ地域調査(調べ活動)の主たる内容は、1、地域施設の活用方法、2,地域人材の活用方法、3,地域の中での多様なテーマ・素材の設定方法、4,インターネット文献検索・読書推進方法、である。これらの方法を、第一部で記している。  
 
 第二の目的は、「総合的な学習」を支える地域の役割をとらえるとともに、地域と学校の連携をコーディネイトする行政や学校の役割をとらえることである。とりわけ社会教育や首長部局との連携を図る地方教育委員会の役割や学校管理職の役割が大きい。これらの行政や管理職が果たすべき役割を、第二部で記している。 これまで、多くの「総合的な学習」の実践事例が紹介されてきた。そしてこの、「総合的な学習」の内容・展開方法は、ますます多様性を帯びてきており、同じ題材を活用しても「総合的な学習」の出発点と到達点はそれぞれ異なってくることが、一般的に理解されつつある。すなわち先進事例をそのまま真似ても、自分の学校・地域で同じようにうまくいくわけではないことが理解されてきたのである。  

 なぜならば、通常教科の指導案は、予想される子どもの到達度や質問を念頭に置きながら授業展観を想定するが、「総合的な学習」の場合は、試行錯誤を含めて、調べ方・学び方自体を学ぶために、授業の展開方向のすべてを予想することは困難だからである。またそもそも、地域・学校・教師・によって地域素材の取り上げ方や観点も大幅に異なってこざるを得ない。  
 
 そのため、地域に適合した多様な展開方向を含む「総合的な学習」に対応するためには、教師・学校が、個々の先進実践事例を学ぶだけでは対応し得ない。教師・学校は、地域調査(調べ活動)の一般的な方法を学んでおくことが重要なのである。地域調査の一般的な方法を学ぶことによって、どの地域にも対応し得る応用的な地域調査(調べ活動)を進めることができるのである。  

 このような教師・学校の取り組みを進展させるためには、行政が学校任せにせず、学校が地域を活用できる条件を、行政として整備しておくことが重要である。したがって、「総合的な学習」に果たす地方教育委員会の役割はますます大きくなっていると言えよう。  

 以上のような地域調査(調べ活動)の一般的な方法を踏まえた上で、学校・行政が地域と連携できる条件を整えれば、地域・児童生徒の特性に合った「総合的な学習」を展開することができよう。本書を手にした教育関係者が、それぞれの地域を児童生徒とともに調べつつ、多様で創造的な「総合的な学習」を展開されることを期待している。


地域を生かせ!総合的学習の展開『地域を生かせ!総合学習の展開』
東洋館出版 2000年 2800円+税

目次より

第1部 「総合的な学習」と地域の理論
「総合的な学習」と地域の理論(地域を生かす「総合的な学習」の進め方
都市部・都市近郊の学校における「総合的な学習」
遠隔地小規模学校の地域特性を生かした「総合的な学習」
情報ネットワークを活用した「総合的な学習」)

第2部 地域を生かした「総合的な学習」の実践
地域の自然環境を生かした総合的な学習
地域を生かすふるさと学習
子どもの求める学びと和光学園の総合学習
横浜市における地域総合学習
学校間ネットワークを活用した地域総合学習
子どもたちが自らの将来像を描く環境学習
一人の興味・関心から出発した総合学習
みやげもの屋から、観光地としての奈良の町の特徴をつかむ
都市部と遠隔地を結ぶ総合的な学習
地域の観光資源を生かす総合的な学習
地域から解き明かす私たちの疑問



『山村留学と子ども・学校・地域―自然がもたらす生きる力の育成』
川前あゆみ・玉井康之 編著 高文堂出版社 1998年

【目次】
はじめに

序 章 山村留学研究の可能性と方法
 1.現代社会における教育課題と山村留
 2.都市と農山村の異文化交流・相互学習と
山村留学
 3.学校づくり・地域づくりの統一と山村留学
 4.山村留学研究の到達点と今後の課題
 5.本書の課題と構成

第1章 山村留学に見られる体験学習の基本類型と教育効果
 1.本章の課題と方法6
 2.体験の基本的効果と地域
 3.体験活動内容の基本類型とその教育効果
 4.体験学習の企画内容と類型
 5.小まとめ

第2章 受け入れ地域住民・里親から見た山村留学
 1.本章の課題と方法
 2.地域住民による山村留学への運営参加意識の特性
 3.地域住民による山村留学の評価
 4.里親からみた山村留学の評価と意識変容
 5.小まとめ

第3章 山村留学修了生保護者から見た山村留学の評価とへき地小規模校の役割
 1.本章の課題と方法
 2.保護者から見た山村留学の参加動機と成果
 3.保護者から見た留学前の学校と留学校の比較
 4.山村留学による保護者自身の成果
 5.小まとめ

第4章 子どもから見た山村留学の評価と体験学習が果たす役割
 1.本章の課題と方法
 2.留学修了生から見た山村留学の評価
 3.地元卒業生から見た山村留学の評価
 4.体験学習が子どもに果たす役割
 5.小まとめ

第5章 転出教員から見た山村留学の教育効果と教員意識の変容
 1.本章の課題と方法
 2.山村留学導入による地元生・留学生への教育効果
 3.内面的な課題を持つ子どもの留学と地元生・教員に与える影響
 4.山村留学を契機とした転出教員の意識の変容
 5.小まとめ

第6章 山村留学に参加する人たちへの提言と山村留学の可能性
 1.本章の課題と方法
 2.山村留学生親子の心構えと留意点
 3.現代社会下の子どもの環境変化と地域教育への期待と可能性
 4.生涯学習における山村留学の役割と可能性
 5.受け入れに伴う山村留学制度の発展の考え方
 6.小まとめ

終 章 山村留学の可能性と発展条件

 山村留学関係参考文献(年代順)
 北海道山村留学実施状況
 おわりに


山村留学と学校・地域づくり『山村留学と学校・地域づくり-都市と農村の交流にまなぶ-』
川前あゆみ・玉井康之著 高文堂出版社 1998年 2350円

 都会や市街地の子ども達が農山漁村に赴く山村留学は、近年急速に注目されている。山村留学生は、年々増加傾向にあり、全国で毎年800名を越えるに至っている。1998年の中央教育審議会答申「新しい時代を拓く心を育てるために」においても、心を豊かにする事例として取り上げられた。本書は、これまでほとんど明らかにされてこなかった、この山村留学の教育力と課題を、総合的な観点から実証的に明らかにした調査研究書である。

 この出版に先立って、1997年11月には、北海道教育大学岩見沢校のへき地教育関係者が中心となって、「山村留学とへき地教育」のシンポジウムを開催した。このシンポジウムには、全道各地から160名ほどの学校教員や地域住民が集まり盛会であった。へき地における山村留学への関心の高さを示すとともに、北海道教育大学がへき地教育現場に貢献しつつあることを示した研究集会でもあった。本書の共同執筆者である私も川前さんもこのシンポジウムで報告したため、本書はこのシンポジウムの成果でもある。川前さんは、香川短期大学の助手で、北海道教育大学僻地教育研究施設臨時研究員でもある。

 山村留学の目的は、もともと1970年代に高度経済成長の中で急速に不足しつつあった自然体験を子どもたちに提供するために始まった。その後山村留学は、学校を地域からなくさないようにするために、過疎地の活性化のためにも導入されるようになった。さらに山村留学は、都会で不適応やストレスを感じた子どもたちが、もう一度人間らしさを取り戻すために応募するケースも多くなっている。生活や遊びが近代化する一方で、子どもたちは自然の中での生活や遊びに感動する場合も多く、都会の子どもたちは、潜在的には、自然の豊かさと自然体験に飢えているといえる。

 本書の構成は、第1部「体験学習の必要性」、第2部「山村留学制度の展開と運営」、第3部「地域・保護者から見た山村留学の評価と役割」、第3部「学校構成員から見た山村留学の評価と役割」の、4部構成で、その中の各章には、山村留学に参加する子どもと受け入れ側の地元のこども、送りだす側と受け入れ側の地域、学校と地域、里親と地域住民、など多様な相対する立場から山村留学の積極面と課題をとらえている。

 このように、山村留学を総合的な立場から分析することによって、立場が異なっても、いずれの立場も山村留学を肯定していることを本書では明らかにしている。その過程では、マイナス面をプラス面として転換できるように改善し、また短期的にマイナス面だととらえられる側面も長期的にはプラス面として位置づくことを認識するようになっている。例えば、教師達も、山村留学に取り組んでいるときには、都市の子どもたちの指導の大変さを感じていたが、山村留学実施校から転出してみると、教師も子どもたちも都市と農村の交流の中でたいへん良い経験をしたことに気づいたことも明らかとなった。また地元の子どもたちに都会の子どもが悪い影響をもたらすのではないかという受け入れ地域の不安もあったが、都会の様子を見て逆に農山村の良さを自覚できるようになっている。

 このように本書の調査結果を見ていただければ、山村留学を導入することによって、学校も子どもも、地域住民も、こじんまりした枠組みから大きく踏み出し、視野の広い対応に変わってきていることがわかるであろう。


現代アラスカの学校改革『現代アラスカの学校改革-開かれた学校づくりと生涯学習-』
高文堂出版社 1997年 1600円

 北海道教育大学は、アラスカ大学と姉妹校提携を結んでおり、その学術研究交流の橋渡しをしているのは、北海道教育大学僻地教育研究施設(通称「へき研」)である。そして本書『現代アラスカの学校改革-開かれた学校づくりと生涯学習-』は、北海道教育大学僻地教育研究施設の環太平洋国際学術交流プロジェクト研究の一環として、刊行したものである。

 へき研がアラスカ大学と交流するまでの経過は、長い歴史があるが、ここではなぜアラスカとの交流なのかを述べると、それはアラスカが北方圏地域の一員として、北海道と極めて類似した側面を持ち、日本の教育の特性と改善方向をとらえる上でも、貴重な課題を示唆しているからである。

 このような中で、本書は、アラスカ社会の特性を踏まえながら、アラスカの学校改革の特性を、(1)学校ボランティアの導入、(2)地域の伝統文化行事との連携、(3)地域住民による学校評価の導入、の3つの観点からとらえたものである。

 (1)の学校ボランティアは、父母や地域住民が学校のために行事や教科指導や生活指導や学校・学級運営など多様な分野で学校に協力するボランティアを、あらかじめ登録しておく制度である。(2)の地域の伝統文化行事は、地域の伝統的な文化を学校行事として活用するだけでなく、教育課程として、カリキュラムに位置づけていくものである。(3)の地域住民による学校評価は、父母・地域住民が、学校教育の到達度を評価するとともに、父母・地域住民自身が自分たちの担うべき役割をきちんと果たしていたかどうかを自己評価する制度でもある。

 これらの3つの観点は、学校が地域に協力を求めるだけでなく、学校を地域に開いていかなければできない制度である。そしてこの3つの観点のいずれもが、これまで日本では組織的には、導入されていなかった点でもある。

 しかし現在日本でも、教育改革は政策的にも進められており、「地域に開かれた学校」は、学校運営の観点からしても、生活指導の観点からしても、教科内容の新たな創造の点からしても、日本の大きな改革課題となっている。その場合重要なことは、改革の政策が上から降りてこなければ改革ができないというものではなく、学校単位で、学校の特性にあった改革は、いくらでもなしうるということである。本書の主題を「教育改革」としないで、「学校改革」としたのも、そのためである。

 このように、日本も大きな改革の入り口に差しかかっている時に、すでに改革を進めている他国の改革の在り方を学ぶことは重要であるが、アメリカの中でも、学校開放に先進的なアラスカから学ぶ意義は大きいのである。

 幸い本書は、いくつかの教育学会ですでに書評をしていただけることが決まっている。北海道教育大学の僻地教育研究、及びへき研のプロジェクト研究が、いくらかでも日本の学校改革の参考になることを願う次第である。


北海道の学校と地域社会『北海道の学校と地域社会−農村小規模校の学校開放と地域教育構造』
東洋館出版社 1996年 2913円

 私がこれまで北海道の農村教育の調査を行った所では、どの地域でも古老たちが「この地域は学校によって発展してきたのだ」と語っていた。北海道の農村のどこでも、この言葉を聞いたときに、北海道の普遍的特性を感ぜずにはいられなかった。そしてそのことをもう少し掘り下げて調査した成果を本にしたものが、本書『北海道の学校と地域社会』である。
 
 本書は、北海道の6割を占める農村小規模校を中心にして、北海道の「学校と地域」の連携の実態をとらえながら、北海道の学校と地域社会の連携の特性とその条件、及び学校開放と地域教育との内的な相互発展の構造を明らかにしたものである。

 現段階において、「学校と地域」の連携や「開かれた学校づくり」が強く求められる中で、北海道とりわけ農村小規模校では、「学校と地域」の結び付きが極めて強い。それは北海道開拓時の学校の設立過程に地域住民が強く関わってきた歴史的な条件が潜在的に継承されてきたこと、また学校も地域と連携することの重要性を積極的に考えてきたことによるものであった。すなわち地域住民の学校への関わり方の強さと、学校・教員が行事や社会教育活動等で地域に貢献するなど、積極的に学校開放を行ってきたことによるものであった。

 これらの積極面を、学校関係者や教育行政関係者が改めて認識し、それを創造的な教育活動に生かしていくことは、生涯学習時代を迎えるこれからの学校の在り方として極めて重要なことである。しかし現実には、学校運営に携わるものや教員の中にも、その積極面を自覚できずに、むしろ学校教育にとってのお荷物としてしかとらえていない人達も少なくない。本書は、そうした人達にこそ読んで欲しいと思うのである。

 北海道教育大学は、全国で唯一僻地教育研究施設をもつ大学であり、僻地教育研究が盛んである。このことは、都市の子どもの歪みが激しいことを鑑みるならば、誇るべきことであろう。これまで、都市に比べて「遅れて」いると言われ続けてきた僻地教育も、観点を変えると優れている点も多い。本書もそうした僻地教育研究の振興に一助を捧げられればと思う次第である。

 幸い本書は、日本教育社会学会・日本社会教育学会・日本教育経営学会等の書評対象の書として選ばれ、また教育専門雑誌のいくつかに紹介された。本書が、北海道の農村小規模校から日本全体の教育の在り方に少しでも問題提起できればありがたいことだと思っている。


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